【いえのつくりようは、なつをむねとすべし?】
つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ
冒頭の文章はワイの友達である吉田兼好くんが1330年頃に記した随筆『徒然草』の序段やね。
これは現代語訳すると「何となしに頭に浮かんだ事や単なる日常を書き綴っていたら、おかしなモンができあがっちゃった。テヘペロ」っちゅうところか。つまりは現代のブログみたいなもんやな。
さてそんな徒然草なんやけど、第55段にこんなことが書いてあるんよ。
『家の作りようは、夏を旨とすべし。冬は、いかなる所にも住まる。……ウンニャラカンニャラ……』
要は、家を作るなら夏の過ごしやすさを基準にせえ、っちゅうこっちゃな。
結論から言っとくで。これは現代日本だとまったく逆になるんや。なにせ兼好くんがコイツを書いたんは1330年。その頃には当然、クーラーや冷蔵庫なんて便利グッズはあらへん。当時は暑けりゃ人は茹であがってまうし、食べもんもすぐに痛んでまう。反対に寒かった場合は火でも焚いて暖をとっときゃ何とかなるやん。せやから、家を考える時はまず夏を過ごしやすくすることが重要って、当時の兼好くんは言うとったんやな。
ほんならそれにくらべて現代はどうか。夏が過ごしやすくなった代わりに、今度は冬の危なっかしさが相対的に際立ってくるっちゅう寸法や。なにせ厚生労働省の統計によると、季節性疾患は冬季の方が夏季に比べて2倍くらいの罹患率になっとるそうや。肺炎や脳卒中なんかも似たような傾向になるらしいで。つまり現代社会は夏より冬の方が病気になる人が多いっちゅうワケやな。その原因の一つは実はハッキリわかっとる。それは、日本の家はメッチャ寒い、ってことや。
単純な比較は出来ひんかもしれんが、日本と同じくらいの緯度にあるヨーロッパの国と比べると、日本の住宅の断熱性能はおよそ半分くらいやね。気密性なんかは足元にも及ばんやろな。「そんなん知らんわ」って平気で言う建設会社さんも未だにあるくらいやからね。それと生来の日本人の我慢強さも、この場合は仇になっとるのかもなぁ。なんせ兼好くんも『冬は、いかなる所にも住まる』なんて言ってもうてるし。ちゅうワケで日本人は冬になると家の外でも内でもキンキンに冷えてまうから、免疫力が低下して、病気に罹りやすくなってるんや。
ここまで言うと皆さんはこう思ってしまうかも知れん。「それじゃあ暖かい家に住んでいたら健康になるのかい?」って。
まぁ、ごもっともですわな。そんな皆の疑問にワイはこう答えるで。
「百聞は一見にしかず。高気密・高断熱の宿泊型体感施設、シンホリ『亀崎の家』に行ってみな」ってね。

百聞は一見にしかず
urabe kaneyosi
Y,KONDO